GH60互換基板で自作キーボードを作る(組立編)
前回の記事では、GH60互換基板で作成する自作キーボード用のパーツの紹介を行いましたが、今回はそれらを使用して組立を行っていきます。
ちなみに前回の記事を作成した時点では、まだ一切組立ができるのかどうかについて検証をしていないので、今回の組立は完全にぶっつけ本番となります。
果たして上手く行くのか……
この記事の目次
スタビライザーを組み立てる
最初にやることは、バラバラのスタビライザーを組み立てる工程となります。
今回は60%キーボードなのでバックスペース、エンター、左右シフトとスペースキー用のスタビライザーが必要になります。
スペースキーのみ6.75Uのサイズを使用し、他のキーには2U対応のものを使用します。
ここで初めてばらばらの状態になったスタビライザーを見たんですが、最初は完成形が分からずパーツを眺めてみてそれで理解できました、全然複雑じゃないのでなんとなく理解できる範囲でした。
写真だとちょっと分かりづらいんですが、大きい方のパーツに小さいパーツを中に入れる形でそっと置きます。
先程の写真から見て裏返しの状態です、キーボードに組み込んだ際にはこちらが上面となり十字の部分がキーキャップをはめ込むための箇所になりますね。
針金のパーツは恐らくはこの様に取り付けるのが正しいと思います、先端を先に大きいパーツと小さいパーツの穴に差し込んでから、手前の爪部分にパチンとはめ込む形でしっくりきました。
ちなみに一応ルブをしています、可動部分のパーツが擦れる箇所同士をなんとなく付けてあげました。
PCBにシートを取り付ける
次はPCBの上に静音化効果のあるシートを取り付けます、とは言うものの位置合わせをして置くだけですけどね。
ちなみに前回個別のスイッチとPCBの間に挟むPORON材のシートを紹介しましたが、勘違いをしておりこのシート自体がその役割を持つものだったので、今回は使用しませんでした。
まあ他のキーボードでも使えるものなので、今回は出番は無しという事で。
スタビライザーを取り付ける
先程組み立てたスタビライザーをPCBに固定します、今回購入したスタビライザーはPCBに固定する方式ですが物によってはプレート側に固定する物もあるみたいなので、購入する際には注意します。
その場合プレートもスタビライザーを固定する用の形になっているので、間違えて買ってしまうと取り付けができないので、購入前によく確認しておきましょう。
固定する際、スタビライザーの脚の2本のうち靴みたいな形の方を先に穴に入れ、もう片方の脚を強く入れることで固定されました。
PCBの穴の大きさも一つのキー毎に上が大きいか下が大きいかで分かれているので、写真のように組み込む方向がバラバラになりますが、これでどうも正しいみたいです。
プレートの仮固定をする
次はプレートの仮固定をやりました、この手順は人によって異なっているんですがこの方法が多そうだったので、ひとまずは慣れないうちは簡単そうな方法を採用しました。
スイッチを4隅にだけプレートに取り付けた後、そのままPCB側とドッキングします。
こうすることでスイッチの取り付けが簡単になります、全部のスイッチを先にプレートへ取り付ける方法もありますが、それだとスイッチの2本出ている金属の脚を折りそうで怖かったので……
(実際過去にメインキーボードで数回やらかしています、簡単に折れる)
スイッチを全て取り付ける
仮の固定が終わりそれぞれのスイッチの位置を確認したら、残りのスイッチも全部付けてあげます。
購入したプレートがどんな配列に対応しているかでどこにスイッチを取り付けられるかがほぼ決まります、今回の配列は61キー配列なのでプレートもその配列のみに対応しています。
物によっては多数の配列から選べるタイプも存在しますので、その場合はスイッチの取り付け位置を確認することが重要ですね。
ケースの底にスポンジを敷く
前回の購入編では出てこなかったアイテムですが、別の注文で買っていたことをすっかり忘れていました。
写真の様に、ケースの底に敷いてケース内のデッドスペースを埋めるカスタムになります。
こうすることでケース内の空間がある事による音を軽減できます、より静音性を高めたい場合には比重の大きい素材、極端な例だと鉛とかを入れるとより静かになります。
実は以前使用していたメインキーボードはその様な改造をしていて、ケース内のありとあらゆるスペースのデッドニングを行っていました。
効果はかなり高かったので、普通の市販のキーボードでも分解できるモデルであれば、是非やってみて欲しいカスタムです。
ケースに組み立てたPCBを固定する
先程のPCBやプレート、スイッチを組み立てた物をケースに入れます、入るかどうかはやってみないと分からなかった為緊張しましたが、しっかり入ってくれたので安心しました。
ネジ穴の位置も合ってましたが、若干のズレがあったので微調整しながら、時にはやや強引にネジを止めています。
キーキャップを取り付ける
いよいよ最後の工程です、キーキャップの取り付けになります。
なるべくシンプルで、かつこのキーボードに合いそうなキーキャップを選びましたが、見た目もバッチリ想像通りに仕上がってくれたので満足です。
これで全工程を終えましたので、最後にPCと接続してキーボードとしてちゃんと機能するかを確認します。
キーキャップを取り付ける前にチェックした方がもし何か問題があった場合に楽だと思うので、キーキャップの取り付け前にチェックをオススメします。
また、今回のPCBではVIALというキーマップの編集ソフトに対応していますが、デフォルトの動作で見た目通りのキーが打てているので、まだそちらについては触っていません。
60%キーボードの場合はファンクションキーや矢印キー等のキーが存在しないので、それらをどう割り当てるか、という方でVIALは活用すると思います。
分かってしまえば難しくない
以上で人生始めての自作キーボードの制作になります。
今回は奇跡的に一発で何事もなく組立が終わりましたが、購入時の確認が本当に大事だと思いました。
組み立てる予定のキーボードの配列に合うPCBとプレートの組み合わせなのか、スタビライザーはPCBとプレートのどちらに取り付けるタイプなのか、ケースはGH60互換品なのか……
この辺りの「互換性」をとにかく意識して商品選びを行えば、今回みたいに問題なく組み立てられるパーツとして機能すると思います。
商品選びにはじっくり時間をかけましょう、急いでも良いことはないです。
是非この機会に、GH60互換の自作キーボードをやってみてはどうでしょうか、そこそこに高い趣味ですがマジで沼なので。