ThinkPad E495 レビュー(後編)
前回ではE495の外見をレビューしましたが、今回はメインとなるスペックのレビューをベンチマークと合わせて詳しく見ていきます。
この記事の目次
システム情報
既に以前の記事で述べていますが、E495を買った最大の理由はCPUにRyzenを搭載しているからです。
システム情報を見てもご覧の通り、いつもIntel製のCPUを搭載したPCに見慣れているので、何とも言えない違和感を感じます。
ちなみに、AMD製のCPUはAPUと呼ばれる、CPUとGPUを組み合わせた物が現在主流となっているので、プロセッサ名にも「with Radeon Vega Mobile Gfx」とグラフィックもいけますよ!と露骨なアピールをかましてきます。
Intel製のCPUにもグラフィック出力機能の付いた物も多くありますが、Intelとは違いAMDはグラフィックボードの開発も行っているので、どれだけの能力を秘めているのかをこの後試してみます。
ちなみに購入時はメモリが8GBでしたが、増設して16GBになっていますので、これもまた別記事にて紹介します。
また、16GB積んでいるのにも関わらず使用可能なメモリが13.9GBになっている理由は、デフォルトで2GBをグラフィック専用メモリに割り当てがされているからです。
各種ベンチマークをやってみた
ここからは、E495ないしRyzen 5 3500Uの実力を測るため、様々なベンチマーク系ソフトを動かしてみました。
メインは3D系ゲームのベンチマークですが、ディスクの速度も測ってみました。
CINEBENCH R15
CPU系ベンチマークと言えば、CHINEBENCHがあまりにも有名ですね。
例に漏れず、まずはこちらの計測結果から見てみましょう。
※画像が小さくて見にくい場合はクリックorタップで拡大して見て下さい。
こちらが計測結果になりますが、まず個人的に驚いた点は、下のRankingのグループに注目して欲しいです。
設定を間違えて2回計測したのでオレンジ色のグラフ(本機の結果)が2つありますが、どちらも僅差なので無視して下さい……
注目すべき点はRyzen 5 3500Uの上のCPUなんですが、Core i7 3770との差が殆ど無いんですよね。
私がメインで使用しているPCの前のPCがCore i7 3770Kを搭載していたんですが、第3世代とは言えデスクトップ用CPUとほぼ変わりない処理能力を持っていることが判明しました。
やはりCPUは世代が進む毎に性能が上がっているんですね、今とても実感しています。
CINEBENCH R20
続いてCINEBENCHの最新版の方です。
こちらも同じく、Rankingのグループを見てみると、Core i7 4850HQ(末尾のHQはHQ無しに比べて、ハイスペックである印です)に迫る勢いとなっていました。
聞き慣れないCPUだったので軽く調べてみましたが、2013年式のMacBook Proに搭載されていたCPUの一つみたいです。
生憎Mac系は触ったことが無いのでコメントしにくいですね、しかも7年前のモデルなので。
まあ価格が言葉通り桁違いな対象なので、割と奮闘している方ではないでしょうか。
ドラゴンクエストX
ここからは3Dゲームのベンチマークソフトをいくつか回してみましたので、その結果を見てみます。
まず最初は比較的軽量な部類に入るドラゴンクエストXです。
ゲーム系のベンチマークソフトには細かい設定ができる物が大多数ですが、今回の検証ではE495で実際にプレイするであろうプリセット設定を選んでいます。
ドラゴンクエストについては、表示方法の欄でフルスクリーンにした以外は、設定には触らずに回してみました。
その結果「とても快適」とかなりのスコアを叩き出しています。
実際ベンチマーク中は画面を見ていたのですが、ほとんどの場面でカクツキも無く滑らかに進んでいました。
ただし画面上に表示されるオブジェクト数が多くなると流石にキツイのか、明らかにカクツキが見られ、大きくfpsが低下している様子が見られました。
と言っても、この程度のカクツキであれば十分にゲームをプレイできそうな雰囲気はあります。
グラフィック設定も下げれば、より快適な動作を見込めそうです。
ファイナルファンタジーXIV 漆黒の反逆者
軽量級のゲームであれば十分なポテンシャルがある事が分かりましたので、続いては重量級のゲームのベンチマークソフトを回してみます。
こちらではグラフィック設定を「標準品質(ボートPC)」に変更の上、フルスクリーンで回してみました。
結果として「快適」と判断されましたが、ベンチマーク中の画面を見る限り、随所でカクツキが発生し、特にエフェクトが激しい場面ではプレイに支障をきたす程fpsの低下が見られました。
我慢すればできなくはないでしょうが、目が疲れるでしょうね……
もっとグラフィック設定を切り詰めれば、多少はカクツキも軽減されそうです。
先述した通り、エフェクトが激しい場面でのfpsの低下が顕著だったので、エフェクト関連の設定を下げれば効果は見込めそうです。
ファイナルファンタジーXV
既になんとなく予想は付きますが、次のナンバリングのファイナルファンタジーXVのベンチマークも一応やってみました。
グラフィック設定を「標準品質」かつフルスクリーンの条件で回してみましたが、「動作困難」と出てしまいました……
ベンチマーク中の画面も常にカクついており、かなり無理をしている感じでした。
流石にここまでのゲームでは、オンボードグラフィック(APU然り)では厳しいでしょう。
閑話休題ですが、ここまでがゲーム系ベンチマークの結果ですが、自分自身ドラクエもFFも一度もやったことが無いんですよね。
CrystalDiskMark
続いては標準で付いてきたM.2 SSDのスペックも見てみます。
今回の場合128GBに容量をカスタマイズしたのですが、結果はこの通りとなります。
M.2 SSDはメインPCでも搭載した事は無いのですが、やはり結構速いですね。
ついでに、後で付けたSATA SSDの計測結果も載せます。
SATA SSDも十分速いんですが、M.2と比べると一目瞭然ですね。
ただ、実際に少し使用した感じでは、あまり速度の差は感じられませんでした。
もっとディスクアクセスの激しいものでは実感できる差が生まれると思います、特にゲームのロードではそうでしょうか。
CrystalDiskInfo
最後にディスク情報を見てみます。
どうやら標準で搭載されているM.2 SSDはSUMSUNG製みたいで、調べてみるとTLCのSSDらしいです。
最近ではTLCやQLCのSSDも増えてきたので、妥当な物でしょう。
一応このM.2 SSDはそのまま使用する予定なので、壊れなければOKです。
総評:Ryzenのグラフィックは想定以上
ここまでの結果を踏まえて、まず思ったのは「結構ゲームも行けるな」という感想でした。
特にドラゴンクエストXの様な軽量ゲームであれば、他の同様なゲームでも普通に動いてくれそうな手応えを感じました。
また、ブラウザの操作も非常に快適で、通常の使用範囲ではまず不満は出ないでしょう。
次回は記事中でさらっと書きましたが、E495の本命でもある拡張性を活かす為、SSDとメモリの増設についてを記事に書き起こします。
2020/07/05追記:SSDとメモリの増設についての記事を書きました↓