ネッククーラーNEOをバイクで使ってみた所感
関東地方の梅雨明けが発表されてから日は経ってないですが、既に連日30度超えの気温を毎日記録しています。
毎年夏が来る度に思っている気がしますが、夏ってこんなに暑かったっけ?と疑問に思ってしまいます。
バイク乗りにとっては厳しい季節となってしまいましたが、それでもバイクに乗りたい場合夏は暑さとの戦いになりますよね。
そこで今回、たまたま目に入った「ネッククーラー」というワードから購入、そして使用するまでの流れを書き留めておきます。
※今回導入が長いので、本題を直ぐに見たい方は前半は飛ばしてもらっても構わないです。
この記事の目次
炎天下の中バイクに乗る辛さ
バイク乗りであれば誰しもが体験する夏の地獄のような暑さ。
自分はZ1000と共に色々な場所にツーリングへ行っていますが、まあとにかく暑い、特にエンジンとラジエーターから来る熱は本当に人間が乗ることを想定して設計しているのか毎回疑わしくなるほど熱いです。
まあその辺りはバイクによって異なるので全てのバイクに言えない上に、Z1000のエンジン熱が熱いという事は事前に知った上での購入なので後悔はしていませんが……
基本的には真夏と真冬はバイクに乗らないスタンスで生きていますが、場合によっては乗る事もあるのでその対策を色々と考えていたりはしていました。
暑い中どうすれば快適にツーリングできるか?
ここからが本筋に入る訳ですが、まず真夏のような普通に過ごしていても暑い中で、どうすれば快適にバイクに乗れるのか。
気温の低い時間帯や場所を選ぶ
まず簡単でお金がかからない方法が、早朝もしくは夜に乗る、または標高の高い場所へ行く。
早朝や夜であれば気温は意外と落ち着いている場合が多いです、例えば朝の4時過ぎぐらいに起きると外の気温は感覚的には過ごしやすい気温になっていますのでこれを狙って行くパターンです。
もしくは標高の高い場所、簡単に言えば山へ行けば時間に縛られずに快適さを得られます。
100mごとに気温は0.6度程度下がるらしいので、単純計算で1000m登れば6度気温は下がります。
例えば富士山の富士宮ルートの5合目までは車で行ける場所ですが、標高は約2400mとなっていますので、ここでは海抜0m地点と比べて約14.4度も気温が低い計算になります。
しかし……どちらも比較的気温の低い時間帯や場所を選んで乗る選択肢になりますが、これだと当然制限がつきまといますので自由にはいかないです。
個人的には場所に縛られはしますが時間に縛られない標高の高いところへ行く選択肢はありだと思っています、真夏にツーリングへ行く際は基本的に今でも標高の高い場所を目的にするパターンが多いです。
じゃあそれらの制限をしないと考えた場合、また別の選択肢が存在します。
水冷ジャケットを着る
最近では各バイクアパレルメーカー等も暑さ対策については様々なアプローチをしており、代表的なものでかつ効果が高そうなもので言えば気化熱を利用した水冷服なんかも多く出ていますね。
例えば今回の本題であるサンコーから発売されている水冷クールベストLiteは、氷水を入れた専用のリュックを背負い、それと専用のベストをチューブで繋げて着るだけで、氷水がベストの中に張り巡らされたチューブを伝って体を冷やしてくれる商品です。
が、これにも欠点がありまして、基本的に冷却水が段々と温かくなってしまうので、何時間も使用する想定にはなっていないんですよね……
しかしコンビニ等に行けば氷はまず売っていると思いますので、冷却水が温かくなってしまったら氷を補充して再度冷たい水を復活させる方法も取れます。
電気の力で体を冷やす
はい、ここからが本題となります。
世の中には電気の力で冷却を行う製品も存在します、今回購入したネッククーラーもその一つになりますね。
電気を利用するタイプのネッククーラー自体にもバリエーションがいくつかあるんですが、見た感じ顔に向けて風を送る扇風機タイプと、ペルチェ素子を利用した首を冷やす2種類があります。
扇風機のタイプだとネックファンという名前で売られていることが多いですが、要するにU字型の首にかけられる形状で、先端に小型の扇風機が付いている製品になります、結構亜種も存在しますが。
でもバイクに乗っている時だと扇風機タイプはちょっと微妙かもしれません、というのもまずヘルメットをかぶっている状態では風が顔に当たらないですし、エンジン熱や地面からの熱が送られてくるだけなので涼しさは得にくいかも……
なので今回は、ペルチェ素子を利用したネッククーラーを購入してみました。
ペルチェ素子とは?
ペルチェ素子とは、簡単に言えば電気を流すとプレートの片面が冷えて、もう片面が発熱する電子部品のことです。
実は小型の冷蔵庫なんかにも利用されている部品ですが、あまり採用はされていないちょっと訳ありなヤツです。
ペルチェ素子の利点としては、まず小型であることでしょうか、なのでペルチェ素子を利用した製品は大体小さい物が多いです。
他には瞬時に冷却が行われます、電気を流せば数秒であっという間に片面がキンキンに冷えますのでタイムラグがほぼ無いです。
欠点としては、もう片面の発熱の処理をしないと冷却の効果がなくなってしまいます、なので基本的には発熱側の面は空冷なり水冷なりで効率的に冷やしてあげる必要があるんですよね。
冷却する為に装置を冷却するという本末転倒感が、ペルチェ素子を利用した製品の普及を阻んでいます。
サンコー「ネッククーラーNEO」
とても長い前置きでしたが、今回購入したものはサンコーという日本の企業が販売しているネッククーラーNEOという製品になります。
ペルチェ素子を利用したネッククーラーにも多数の会社から製品が出ていますが、日本の企業という点と、バイクでの使用の実績があったのでこちらの製品にしてみました。
ネットで調べるとバイク乗りの先駆者の方がこの製品についてレビューをしていますので、今回は使用感を重点的にレビューしてみます。
使用してみた感想
軽いので首に負担はかからない
ネッククーラーNEOは公式で150gと公表していますが、実際首にかけても全く重さを感じません。
バイクで使う場合はそもそもヘルメットの方が重いですしね、150gの負担が首にかかった所で誤差でしょう。
実際に本体とケーブル込みで重さを計ってみたら148gでした、おおよそ公式通りの数値でしょう。
グローブでも操作がしやすい
ネッククーラーNEOの操作は本体から伸びているケーブルの途中にあるコントローラーのボタンで行いますが、このボタンがグローブをはめている状態でも操作がしやすいです。
モードが3段階あり、上から「強モード」「弱モード」「ゆらぎモード」となっており、ボタンを押すごとにモードは切り替わります。
ゆらぎモードとは弱と強を交互に一定時間で切り替えるモードで、ずっと強にしておくと肌が冷たさに慣れてしまって冷たさを感じなくなってしまう状態を軽減してくれるそうですが、基本的にはバイクに乗って使用する場合は強モードでずっと運用する形になります。
電源を切りたい場合はボタンを長押しかUSBケーブルを抜けば止まります。
モバイルバッテリーの場合は容量10000mAh以上推奨
ネッククーラーNEOはUSB電源で稼働しますが、モバイルバッテリーからでも給電が可能になっています。
本当はバイクにUSB電源を取り付けて、そこから取る方法が一番良いんですが、自分の場合はスマホの充電で既に埋まってしまっているのでモバイルバッテリーでの運用にしてみました。
動作する規格としては5V1Aになりますので、一般的なモバイルバッテリーで十分でしょう。
1Aなので急速充電に対応していなくても大丈夫です、2Aや2.4Aでも動きますが1Aと比べて差は無かったです。
今回使用したモバイルバッテリーの容量は10000mAhですが、朝の6時から使用して途中の休憩で止めた時間も考慮すると10時間程で止まってしまいました。
ここまでの時間を運転するケースは多くは無いと思いますが、日帰りツーリングでもこれぐらいの時間を走っている場合もありますので、モバイルバッテリーの容量は少なくとも10000mAh以上をおすすめします。
涼しいかと言われると微妙
さて、この製品の肝心な冷却能力ですが……無いよりはマシといった程度でした。
確かに首元の冷却プレートが当たっている面はひんやりして気持ちがいいですが、今回使用した条件の外気温34度では暑さの方が上回ってしまい、ひんやり感が段々と消えてしまいました。
ペルチェ素子の項目でも少し説明しましたが、発熱する側の面をいかに冷やすかがペルチェ素子の肝なので、外気温が高いと当然冷却の最低値も上がってしまいます。
ただし、こんな外気温の中を走っても体感的にはヘルメット内でかく汗の量は減っている気がします。
去年もほぼ同じ条件で走っていた時は、汗が目に入って痛かったりした記憶がありますが今回はそういった事は一切無かったので、頸動脈を冷やしている効果は出ていると思います。
決定的な暑さ対策にはならないか
以上がネッククーラーNEOを使用した所感ですが、やはりバイクに乗るに当たって決定的な暑さ対策にはまだほど遠いという結論でした。
バイクはどうしてもエンジン熱を直に受けますし、直射日光を浴びてしまう環境なので暑さはどうしようもない現状ですが、これだけではなく複数の対策を実行することで塵積になりある程度の暑さは軽減できます。
今回使用したネッククーラーNEOもその一つなので、これだけに任せずに他の対策と組み合わせれば効果的に恩恵を受けられると感じました。
熱を発しないバイクか、完全な水冷服が出たら革命的なんですけどねぇ。